
特定非営利活動法人
神道無念流
私たちは神道無念流の修行者として、 先達から受け継いだ流儀を正しく保存・継承する活動を行っています。
私たちが継承する神道無念流とは
幕末の江戸三大道場といえば、士学館、玄武館、練兵館ですが、練兵館で教えていた剣術流派が神道無念流です。練兵館の創立者は、斎藤弥九郎。創立には、藤田東湖、江川英龍など当時一流の知識人が関わり、木戸孝允はじめ、日本の近代化に貢献した錚々たる人物を輩出しました。私たちが継承する神道無念流は、練兵館の斎藤弥九郎と二代目岡田十松の剣、いわば練兵館流儀が主体となります。荒々しい時代の剣であり、常に敵がいるがゆえの極めて合理的な剣法。敵を一刀両断する剣は、当時から「力の斎藤」と呼ばれていました。
神道無念流独特の操刀。真向から振り下ろす動作を体得していただくことから始まります。
そこで
体感!
神道無念流剣術
神道無念流で一番最初に稽古する基本の基本「流水」をご一緒に稽古して、神道無念流剣術を体感しませんか?
初めての方、女性の方、シニアの方もOK。剣道、居合道の経験者の方ももちろん歓迎します。この機会に古流剣術に触れてみましょう。
場所
本WEBまたはメールにてご連絡いたします。また、各道場にも出張いたします。お気軽にお問合せ下さい。
参加費
体験会:無料
所用時間
約60~90分程度
準備
動きやすい服(もちろん道着でもOK)とマイ木刀をご用意下さい。木刀を持っていない方には、弊社よりお貸しします。(数に限りあり)
主催
NPO法人神道無念流

Q&A
神道無念流についての意見に対する弊社の見解です。
練兵館と二代目岡田十松の剣として回答しています。
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神道無念流は強いのですか?
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剣の技量は、流派に関係なく個人の研究と努力、研鑽、そして資質によると思います。しかし、幕末動乱の時代。生き残ることができる剣は何か、と言えば、それは練兵館の神道無念流ということになります。
練兵館に入門して、まず最初に、そして最後まで徹底して唱えられる独自のテーマがあります。それは「一圓中太刀太旨」と呼び、目録の一番最初に出てきます。「一圓中太刀太旨」とは、自分(と自分の刀)を中心に、同心円的に全環境を把握すること。練兵館の二代目塾頭である桂小五郎(木戸孝允)はまさにこれを実践し、「逃げ小五郎」と呼ばれながらも幕末を生き残り維新を果たしました。
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神道無念流の剣の特徴は何ですか?
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神道無念流の剣の特徴は大きく2つ。全身を使った上段真向からの「強烈な斬」り付けと「スピード」です。全ての技は、いきなりトップスピード。いわゆる序破急的な動き、相手を誘う動きなどは全くございません。
※体験会にご参加いただき、実際に剣を振るっていただければ、より理解が深まると思います。また、神道無念流の技は、すべて遠間です。たとえば青眼に構えたとして、一足一刀(刀の物打を合わせた状態)ではありません。切先が触れ合うか触れ合わないかの状態からスタートします。
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神道無念流の構え(追記)
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神道無念流の構えについてご質問がございましたので追記します。
神道無念流の構えは、そもそも単に上段や八相などとは呼ばず、青眼ぽいのは「中霞」、上段ぽいのは「(上)霞(上段)」、八相ぽいのは「上霞右」とか言います。「霞上段」だけでもバリエーションが数点あります。練兵館の神道無念流は、極めて合理的な剣理ですので、五加で使う構え「天(上段)」、立居合で使う構え「浮舟」、非打で使う「鎗構」以外は、室内戦も考慮して、自然体が旨。構えのために体の一部を意識的に張ったり伸ばしたりいたしません。では、なぜ構えが張って見えるのか。
それは「霞上段」では左こぶしが一般の上段よりかなり下に置き、「上霞右」では左こぶしが顔の前近くに持ってきます。この構えの意味や目的はさておき、なるほど、確かにパッと見、ひじを張っているように見えますよね。なので、おそらく明治以降の道場の先生や修行者では、特に問題なければ張った構えでも良し、としたのだと思います。この業界は、師範の教えがすべて。どのような道程にせよ自分が信じて修行してきた道が正しい。これが弊社の答えです。
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神道無念流の突技や胴技がない?
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まず突技ですが、練兵館では、道場を「演剣場」と呼び、みんなで仲良く稽古する場所。したがって、突技に限らずケガをする可能性がある技は禁止していました。胴技については、初めて間もない修行者には、同じ理由で教えていなかったようです。稽古でも胴防具は使っていなかったとのことです。
しかし、修行者が修行の道程を示す「五位伝記」で中程度の力量になると、突技も胴斬も多数出現します。神道無念流の根幹の技「霞返」から相手の左右の胴を斬るバリエーション(口伝)。突技についても、単なる突技のみならず「鎗構」と呼ぶ槍術を参考した技もございます。大村藩の師範役、斎藤歓之助は、世間では、突技は使わないとされていますが、寺井知高(師範)によると歓之助の最も得意な技は、雷光の諸手突きであったとうかがっています。
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神道無念流の立居合とは?
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練兵館の神道無念流には、立ったまま操刀する「立居合」があります。「十二剣」となっていますが、主要なバリエーションを入れると数倍(ざっと40~50本程)存在します。これを一本目の一、一本目の二、と呼ぶととても分かりにくく誰も覚えられない。そこで斎藤弥九郎たち(江川太郎左衛門や藤田東湖)は、「十二剣」にその技を象徴する名前を付けて分類しています。
このベーシックな「十二剣」の内、核となる技は7つ。あとは、型稽古から自由に打ち合う稽古まで行う「非打」の一部と同等の太刀筋になります。技の特徴は、先の通り強烈な斬とスピード。練兵館で立居合の名人と言えば太田市之進(御堀耕助)で、塾頭の渡辺昇によると「神速」と伝わっています。納刀について。神が宿る刀を振るうので「神道」無念流です。したがって納刀は、刃を体に抱き納めるという考え方で、刃を自分の体の線から外に出しません。横一文字の納刀や腕に刀を乗せて行う納刀では、刃が体からはみ出てしまいます。
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神道無念流の必殺技は?
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神道無念流の根幹の技であり必殺技といえば、本WEBで何度も出てきた「霞返」です。この技はバリエーションも多数あり、「非打」「立居合」そして「総合二剣」ともに随所で使います。
※弊社では「統合二剣」と呼ぶ技は存じ上げません。神道無念流には秘剣と呼ばれる技があります。免許をよく読むとこっそり図示、または一文で書き込まれています。たとえば、免許の記述内の一文「一来半飛鳥正剣」は秘剣です。さらには暗剣。最もヤバいのが、免許皆伝の最後の卍。仕掛けられると生き残ることはまずもって不可能。必殺の暗剣は、皆伝者でも全員が知っている訳ではなく、斎藤弥九郎としては、こんなものを伝授するのは本意でなく、信条的にも必要ないと考えていたようです。
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神道無念流の「流水」稽古とは何ですか?
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神道無念流の道場の門を潜り、一番最初の行う稽古です。立ち方、かまえ方、移動の仕方、そして斬り方を学びます。もう、これだけで神道無念流独自の太刀筋と動き方がわかると思います。詳しくは、体験会にご参加していただき、実際に体感して下さい。
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神道無念流の「未発之象」とは何ですか?
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神道無念流で最初に学ぶ型稽古「五加五形」で唱えられるのが「未発之象」です。未発之象とは、戦いで勝敗をつけないこと。五加の型稽古では、お互いに決着がつかないまま終わります。「五加五形」は初代岡田十松が、基本的な太刀筋を五種類に分類したもの。五本バラバラにあるのではなく「五加一圓之太刀」と呼び、通しで稽古します。五本通してもまだ決着がつきません。この「状態」を未発之象と言います。太刀筋や必殺技のことではありません。まあ、一言でいえば、相手と対峙して、拮抗状態、といった感じでしょうか。
五加の稽古で重要なポイントは、実は別にあります。
神道無念流では、敵との間合いを「身位」と言いますが、五加五形の目的は身位稽古。入門して一番最初に相手がいる型稽古を通じ、敵との距離感を養います。距離が把握できているからこそ、すべて遠間の技というのも頷けます。生き残る確率もグンと上がる。さすが練兵館。しっかりしたカリキュラムですよね。
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大村藩神道無念流とは?
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幕末の大村藩で公式採用した剣術流派。斎藤歓之助が、剣術師範として大村藩に仕官し指導した神道無念流です。もちろん弊社でも深く継承しています。
現在、長崎県では「大村藩神道無念流」と称して居合のみを稽古されている方々がございます。長崎県剣道連盟居合道部の一部有志の方々が中心となって集まり、日々精進、研究されていると伺っています。
時々弊社にもお問い合わせがありますが、この団体は弊社とは全く関係ございません。